
口臭を検証
まったく無関係の出来事なのでしょうか?関係あるとするとどのような関係なのでしょうか?そこから、新しい花粉症治療の展望が見えてくるのかについて、この項では話を進めます。
アレルギー疾患と細菌感染症との関連はまったくないようにみえますが、免疫学的にみると両者は深い関連があることが最近明らかにされつつあります。
そのきっかけはモスマわらによるTh細胞(補助T細胞)におけるTh(ヘルパーT細胞一型)/Th2(ヘルパーT細胞一一型)理論の確立によります。
私たちの体は、免疫機能を駆使して、さまざまな外的閃子から体を防御しています。
その免疫機能は大きく細胞性免疫と液性免疫というらのシステムに分けることができます。
この二つの機能の発揮に働くのがThとサィトカインが異なることをマウスの研究で報告しました。
また、現在では生体の免疫防御システムはTh、Th2システムのバランスのうえに成り立っていると考えられており、さらに興味あることに、それぞれが産生するサィトカインにより、互いに抑制し合っているとされています。
この理論はマウスによって確立された理論ですが、近年のヒ下細胞におけるクローンの確立から、大きな概念として成立することがほぼ確実視されています。
この理論によれ、ほ、細菌感染によってTh反応が誘導され、その結果、応が増強すると、抗体が席生されて、アトピー疾患が起きやすくなると考えられます。
Th1細胞とTh2細胞はお互いにシーソーのうえに乗っかっていると思ってください(図3-4)。
が誘導されます。
私たちの体にはそれを排除するための特異的抗体や非特典的抗体が非常に大量に産生されます。
これらの抗体が鼻粘膜などの肥満細胞の表層のレセプターに結合します。
あまりにも多くの抗体が結合しますので、たとえスギ花粉やダニなどに対しての特典的抗体があっても、それが肥満細胞上に結合できず、もしスギ花粉やダニが体内に入っても肥満細胞で抗原抗体反応を起こすことができません。
したがって、化学伝達物質(ヒスタミンやロイコトリエンなど)が肥満細胞から遊離できずアレルギー症状は起こりません。
かつての回虫症が多かった時代には回虫特異的抗体をもつ人が多く、アレルギーが少なかったというのが根拠です。
しかし、=収近の疫学調査では逆に回虫症の人にスギやダニ特異的抗体をもつ人が多く、花粉症や通年性アレルギー性鼻炎の人も多いことが報告されていますので、回虫感染に関しては議論の余地が残されています。
結核菌の抽出液であるPPDに対するツベルクリン反応はTh細胞による遅延型反応であり、IFN-γ、I-2、TNFなどのサィトカイン群による皮膚反応です。
したがって、ツベルクリン陽性反応は、Th細胞またはTh反応が強く誘導されたことを示します。
このことを考え、私たちは和歌山県下の中学一年生を対象に疫学調査を行いました。
その結果、全生徒のツベルクリン硬結径が大きくなるにしたがい、血清総値が減少することがわかりました。
また、小学一年(六歳)、中学年(二歳)のツベルクリンで、小一ツベルクリン、中一ツベルクリンの川群間には麻疹、水痘、ムンプスのワクチン接種歴や既往歴、二一親等内のアレルギー家族歴、BMIなどには偏りがありませんでした。
その結果、現在ツベルクリン(+)の一一群では群と比較して明らかに喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が少なく、血清総伯が低く、特異的抗体陽性率が低いことが観察されました。
さらに、Th2のサイトカィンである、堕か少なくThのサイトカインであるIFN-γの上昇がみられました。
つまり、Thにシフトすればアレルギーが抑えられるといえます。
次に、ツベルクリンの陽転時期とアレルギー疾患の発症・寛解についてみると、小一までに陽転する者はそうでない者に比べて、喘息やアトピー性皮膚炎の発症は低く抑えられ、寛解は喘息で八・二倍、アトピー性皮膚炎で一・六倍と高いことがわかりました。
また、小一から中一までに陽転する者はそうでない者に比、へて、アレルギー疾患の発症は低く抑えられ、寛解は喘息で六倍、アトピー性皮膚炎で六・倍、アレルギー性鼻炎で九倍とそうでない者よりも多く治っていました。
つまり、ツベルクリンが陽転することでアトピー性疾患の発症が抑えられたり、治ったりします。
このことは、結核感染者では、ツベルクリン反応の陽性反応がみられ、Thが優位になり、抗体産生が抑制されていると考えられていますが、スギ花粉症や通年性アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患ではTh2系が優位になり、の持続的な産生が引き起こされていると考えられます。
したがって、結核症の多かった時代にはThシステムが優位に働き、Th2システムが抑えられ、スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎を含むアレルギー疾患が少なかったと考えられます。
感染とアレルギー疾患減少の報告に関しては、マ下リカルディらはウイルスとの関係において、A型肝炎ウイルスに対する抗体をもっている者はそうでない者に比べて有意に少なく、アレルギー性鼻炎も少ないことを報告していますし、シャヒーンらはアフリカのギニア・ビサウにおける麻疹感染の減少とアレルギー疾患(この報告では皮膚試験)の増加の報告があります。
先に述べてきたような成績は、スギ花粉症を含むアレルギー性鼻炎患者において、Th2が優位な免疫システムを、BCGやそのはかのThを強く誘導する細菌製剤によってThを優位にすることで、寛解に導く可能性のあることを示唆します。
現在世界中ではいくつかの集回を対象に、アレルギーの人に細菌製剤を注射することで、アレルギーがコントロールできないか検討されています。
たとえば、イギリスでは結核菌と同じ仲間の好酸菌で細菌を熱処理したものが、強力に私たちの体をThにシフトすることから、花粉症や喘息に使用し一定の効果が得られていますし、日本では私たちのグループが強力にThを誘導するとされている溶連菌を用い、アレルギー性白舛炎に定の効果を得ていますし、さらに中国南京医科大学との共同研究で、腸内細菌である昏話萱三雲ヱ詳萱訂をアレルギー性鼻炎の患者さんに内服させたところ、アレルギー症状の改善とツベルクリンの増強がみられたという成績を得ています。
現代社会の過度な清潔志向がどうも花粉症などのアレルギーを増加させてきたこと、それを細菌で治すという考えは皮肉なことです。
普遍的な治療として定着するには症例を集め、投与是や投与のタイミングの違いなどによる効果の違いになどについて、詳細な臨床試験、効果発現のメカニズムの解析が要求されることはいうまでもありませんが、花粉症の制御に明るい展望があると考えています。
日本で最初にスギ花粉の観測を始めたのは、神奈川県相模原市の国立相模原病院で、九六五年のことです。
これは学会でスギ花粉症が初めて報告された年後で、相模原市における長旧聞の花粉のデータは、スギ花粉の飛散量の変動を知るうえで貴重なものになっています。
各地でスギ花粉の情報が出されるようになったのは九八九年前後のことです。
当初は近畿地区で毎日日のスギ花粉飛散数が部の医療機関に報告されるはかは、東京都で花粉飛散シーズンのスギ花粉の飛散総数や飛散開始時期の予測が発表されるのみでした。
現在のように毎日の花粉飛散数の予測や前日までの飛散数が併せて発表される形態になったのは九八年の春からですので、いわゆる花粉情報はこの年からスター下したといってよいでしょう。
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